青竜寺求法目録巻末法全加筆証明

紙本墨書 / 一巻五紙

  • 原本
  • 翻刻

長安の都で密教を伝授された証し

円珍が長安の青竜寺(陝西省西安)で伝授の師である法全阿闍梨から求得した密教経典類115巻、曼荼羅、法具などを列記した目録。隋の文帝が長安城内の新昌坊に建立した青竜寺は、弘法大師空海が恵果阿闍梨から灌頂を受けたことで知られる唐代密教の中心寺院である。法全は、善無畏、不空、恵果の法流を相承する密教僧で、円珍をはじめ円仁、円載にも伝法している。この目録は、円珍が法全から伝授された経典類だけでなく伝法の経緯も記録されており、天台僧の円珍が、真言宗の開祖・弘法大師と同じ寺院で密教の奥義を伝えられたことを示す貴重な史料である。

種別
国宝
時代
大中9年(855)11月15日
法量
25.5×243.0cm