重要文化財
光浄院客殿障壁画 二十五面
桃山様式の典型を伝える金碧障壁画
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光浄院客殿の南列二室には、狩野派による桃山時代後期の特色を伝える障壁画が残されています。一之間の大床の金地著色「松に滝図」は桃山障壁画様式の典型を示しています。付書院上段の「菊花図」も一連の作品で、寺伝による狩野山楽の作風に近似します。
二之間の襖十二面には、素地著色で四季の花鳥図が描かれています。北側四面は春夏の題材を描き、左二面に松を配し、右二面の水辺には大輪の牡丹が咲き、燕が舞っています。西側四面では秋冬へと移り、山茶花や菊に鴨や鴛鴦を配し、後景に雪山が描かれます。いずれも狩野派のなかでも特異な個性を示す作品群として注目されています。